kuroiの気ままブログ

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『博士の愛した数式』小川洋子

 わたしが先生と呼んでいる(勝手に)小川洋子さんの感動の名作『博士の愛した数式』。私は読み終わるまでに2回泣きました。とはいっても、悲しいお話じゃありません。辛いシーンもありますが、読み終えたときにはしっかりと前を向いて生きていくための力をもらえている。そんなお話だと思いました。

 

 

 こういうお話って、ちょっと元気がないときにすごく心に沁みるんですよね。

 

 

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博士の愛した数式』新潮社

 

 

 主人公は家政婦の女性です。あたらしく務めることになった先の老人がどうやら変わり者のようで、警戒しながら家に向かうとそこで待っていたのは「80分」しか記憶の続かない老人でした。老人は当然〈わたし〉のことも覚えられず、いつも初対面のように接します。老人は数学者で〈わたし〉は〈博士〉と呼んでいます。

 

 

 最初なんだか気難しい人に見えるんですけど、この〈博士〉がなんだかかわいくなってくるんですよね。〈わたし〉には子供がひとりいるんですが、〈博士〉は子供が好きなようで、数学を楽しく教えてくれるのですがこれがまた面白い。数学の解き方や答えを教えてくれるのではなく、数学はこんなに魅力的で楽しいのだ。ということを教えてくれるのです。それに影響されて〈わたし〉も数学の世界にのめりこんでいきます。こんな先生だったらみんな数学好きになってまうやろ―。

 

 

 で、そんな愉快な先生なんですけどもちろん問題は山積みなわけで。家政婦としてではありますが、先生に愛情をそそぎ、なんとか力になりたいと尽力するわけですが、なかなかうまくいかなかったり誤解をうけたりします。こどもと力を合わせて先生の誕生日を祝うシーンなどは涙なしには読めません。

 

 

 この作品のテーマは「愛」です。こんなに心があたたかくなる作品にはなかなかであえるものではありません。わたしは幸運ですね。

 

 

 弟が店を開きまして、その手伝いに行ってまいりました。フラメンコやベリーダンスを見ながら食事ができるお店なんですけど、超忙しかったです。。。でもフラメンコすごくかっこよかったです。また見れたらいいな。今度はゆっくりと。